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スペインでドリブル塾が流行らない理由
大田区のサッカースクール「テックタックフットボールトレーニング」にてメソッドダイレクターを務めている砂川太希です。テックタックフットボールトレーニング(TEC-TAC FOOTBALL TRAINING)は2024年4月からスタートした技術と戦術に特化した少人数制、個別指導のサッカースクールです。 第一校目を東京都大田区/蒲田・千鳥町の人工芝フットサルコート「K-FIELD」にオープンしました。 テックタック千鳥町は毎週月曜日に活動中!今回もバルセロナから記事をお届けします!
いわゆる「ドリブル塾」「ドリブルスクール」。
特定のテクニックアクションに特化したスクールが日本には多く存在しています。
しかしながら、スペインをはじめとするヨーロッパでは、そのような形態のサッカースクールは多くありません。
(私が滞在しているバルセロナでは全く聞いたことがありません。)
もちろん、「ドリブル塾」や「ドリブルスクール」といった特定のテクニックアクションに特化したスクールの長所は多くありますが、
本記事では、なぜヨーロッパでは日本ほど「ドリブル塾」や「ドリブルスクール」が流行しないのかを紐解いていきたいと思います。
1サッカーは総合的なスキルが必要
サッカーはさまざまな状況が発生する集団スポーツです。
試合の中で1人の選手がボールを持つ時間は90分中の2~3分と言われます。
その2~3分でドリブルをする判断をすることは試合中にどれくらいあるでしょうか。
自分がボールを持ってドリブルする瞬間はほんの少し。
サッカーというゲームの本質や原理原則から考えると
「ドリブル」だけにフォーカスしてトレーニングすることは非効率だと考えられているのかもしれません。
試合では総合的なスキルを持った選手が起用されがちです。
もちろん同時に、強みや長所があることも重要です。
しかし、ベースとなるスキルや思考を持っていないと、そもそも強みや長所を発揮する土俵にも立てません。
2ドリブルは一つの手段でしかない
ドリブルには様々種類があります。
レガテ 相手を抜くドリブル
コンデュクシオン 運ぶドリブル
日本ではあまり名詞化されていませんが、ボールを保持するためのドリブルも重要なプレーです。
レガテもコンデュクシオンもあくまでも、戦術的な目的や意図を達成するための手段でしかありません。
味方との関係性やチームとしての目的を理解してそれらのプレーを選択することが重要視されます。
ドリブルはあくまでチームの目的を達成するための一つの手段にすぎません。
レガテもコンデュクシオンといったドリブルをすることが目的になるとサッカーの本質からズレてしまいます。
3試合で活躍することが求められる
試合では状況を適切に認知し、判断することが求められます。
なぜ、何のために、いつ、どこで、どんなドリブルをするのかの判断が重要です。
ここを間違うとせっかく身につけたドリブルスキルが試合では使えません。
特定のスキルのみを切り出してトレーニングすることのメリットは
そのスキルの向上だけに集中できることです。
一方で、デメリットは実際の試合との状況とかけ離れてしまうため
身につけたスキルを試合で発揮することが難しくなってしまう場合があります。
ヨーロッパでは、
目の前の試合で活躍することが何よりも重要視されます。
もちろん、育成という観点もありますが、日本よりも目の前の試合で活躍し選手としての価値を示す、そして勝利するということへのこだわりが強いです。
そのことから逆算して
ヨーロッパでは
コーンドリブルや相手がいないドリブル練習の反復形式のトレーニングよりも
「いつ、どこで、なぜ、何のために、どんな」プレーをするのかということを考えさせるトレーニングが重宝されます。
このようなトレーニングには認知と判断があり、様々な状況にスキルを適応させることが求められます。
4ポジションに特化した技術の習得が必要
ドリブルには、さまざまな種類がありポジションによってスキルを使い分ける必要があります。
例えば、センターバックの選手がレガテ(抜くドリブル)のトレーニングをFWの選手と同じ回数繰り返し反復練習をすることは、効果的で効率の良いトレーニングとは言えません。
逆にFWの選手が下がりながらロングボールをヘディングでクリアするトレーニングを何回も繰り返す必要はなく、
ボランチの選手であれば距離の長いスプリントトレーニングをするよりも、切り返しやターンの入る短距離のスプリントを実施した方が試合の状況に近いです。
サッカーではポジションごとに求められるスキルが異なるため、自分のポジションにあった技術の習得が大切です。
バルセロナでは試合からの逆算で考えるため、日々の練習では週末にプレーするポジションに関することをトレーニングします。
もちろん、バルセロナでも日本のドリブル塾やドリブルスクールで行われるような練習をすることもあるかもしれません。
しかしそれは、必要な選手だけ。
必要な選手だけが1vs1のレガテのトレーニングを行います。
自分に合った必要なトレーニングが、必ずそれぞれに存在します。
まとめ
サッカーはひとつひとつの技術や戦術をバラバラにせず結び付けて身につけていくことが重要です。
テクニックのやり方を学ぶことと同時に、
いつどのようなシチュエーションで何のために使うべきテクニックなのかを理解することで
戦術的な考えができるサッカー選手としての成長につながります。
年々、インテンシティが高まり、戦術的にもレベルが上がるサッカーの世界において
賢くプレーすることはステップアップしていく選手のマストな力です。
これがヨーロッパで「ドリブル塾」や「ドリブルスクール」が広まらない理由なのだと
私は考えています。
大田区千鳥町の
TEC-TAC FOOTBALL TRAINING (テックタックフットボールトレーニング)は
戦術と紐付けた技術の習得を目指す少人数制のサッカースクールです。
テックタック千鳥町。
私たちは
少人数だからこそ、それぞれの長所や課題、ポジションに特化した
トレーニングを設定し
複数人のコーチで細かく丁寧に指導しています。
ドリブル(レガテやコンデュクシオン)をはじめとしたテクニックをいつどのように何のために試合で生かすのか。
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